「モーター」とは何か

モーター

モーターと聞くと「なんだか難しそう」「理系の人しかわからないやつでしょ」と感じる人も多いかもしれません。
実は、電動歯ブラシや扇風機、パソコンの冷却ファン、車の窓やミラーまで、身の回りの「動くもの」の多くにモーターが使われています。
特に、ものづくりやロボット製作をする人にとっては欠かせないパーツのひとつ。
この記事では「モーターってそもそも何?」「どんな種類があるの?」という基本を、できるだけわかりやすく解説します。

モーターとは何か?

モーターは、電気の力を「回転」に変えるための部品です。
電気を流すと、モーターの軸が回る。
それが基本的な動きです。

もう少し正確に言うと、モーター内部にはコイル(電線を巻いたもの)と磁石が入っています。
電気を流すと、コイルに磁界が発生し、その力でモーターの軸(シャフト)が回り始めます。
これを繰り返すことで、一定方向にグルグル回転し続けることができます。
この仕組みのおかげで、スイッチを押すだけで何かが動く、という操作が可能になっています。
つまり、「自動で動かす仕組み」のスタート地点がモーターなんです。

そしてこの回転をベルトやギアを使って伝えることで、物を持ち上げたり、動かしたり、開けたり、さまざまな動作につなげることができます。

モーターの種類と特徴

モーターにはいくつか種類があり、それぞれ性質や使い道が異なります。

DCモーター(直流モーター)

シンプルで安価、扱いやすいのが特徴です。
電池で動くおもちゃ、ファン、ミニ四駆などによく使われています。
電圧を上げ下げすることで回転速度を調整できますが、位置や角度の制御はやや苦手です。

ステッピングモーター

1ステップずつ決まった角度で動くため、位置決めが正確。
3Dプリンタやレーザー加工機、CNCマシンのような「決まった位置まで正確に動かしたい」場面で活躍します。
ただし、動きがカクカクしていたり、速度はあまり出ません。

サーボモーター

あらかじめ指示された角度に自動で動く、フィードバック制御を備えたモーターです。
RCカーのハンドル操作や、ロボットアームの関節など「決めた角度まで正確に動かしたい」用途に向いています。

このように、モーターは回すだけのシンプルなものから、角度や位置までしっかり制御できるものまで、用途に応じていろんな種類があります。
たとえば「速く回ればいい」だけならDCモーターでOK。
でも「ここまで動かして、止めたい」ならステッピングやサーボを使う。
そんなふうに、何を動かしたいのかによって、モーターの選び方は変わってきます。

「モーター」とひとことで言っても、その中身や特性にはさまざまな違いがあります。
自作ロボットや電子工作、ちょっとした自動化にチャレンジしたいときには、まずこの基本を押さえておくだけで部品選びが楽になるはずです。