「ベアリング」の役割は摩擦を少なくすること

機械の中にひっそりと入っている「ベアリング」。
あまり目立たないパーツですが、これがないと回転するものはスムーズに動きません。
この記事では、ベアリングの基本と役割、そして「なかったらどうなるのか?」までを、機械設計の視点からわかりやすく紹介します。
ベアリングとは
ベアリングとは、回転する軸(シャフト)をなめらかに支えるための部品です。
軸のまわりにボールやローラーが入っていて、摩擦を減らしながら安定して回せるようになっています。
回転運動のある機械には、ほぼ必ずといっていいほど使われていて、
自転車の車輪や、家電のモーター、3Dプリンタのスライド機構、工場のロボットアームなど、ありとあらゆる場所に組み込まれています。
形としては、丸いリング状の金属部品で、内側と外側の間に小さな球(ボール)が並んでいるのが特徴です。
このボールが回ることで、「回転」と「摩擦の低減」を両立できるようになっています。
ベアリングの役割
ベアリングの役割は、大きく分けて次の2つです。
摩擦を減らす
回転する部分とそれを支える部分の間に、直接こすれ合う面があると、摩擦が大きくなって動きが重くなってしまいます。
ベアリングを入れることで、接触するのはボールの点だけになるので、摩擦がグッと減って軽くスムーズに回転できるようになります。
軸を安定させる
回転軸がグラグラしていると、ブレや振動が出たり、部品が早く摩耗してしまいます。
ベアリングは回転しながらも、軸を真っすぐ支える働きをしていて、装置全体の精度や寿命にも関わってきます。
つまり、ベアリングは「滑らかに動かす」と「しっかり支える」を両立してくれる、小さくて重要なパーツなんです。
ベアリングがなかったらどうなるか
ベアリングがないと、回転部品はどうなるのか?
結論から言うと「すぐに壊れる or まったく動かない」です。
たとえば、自転車の車輪をイメージしてみてください。
車輪の回転軸にベアリングが入っていないと、フレームの金属と軸が直接こすれ合ってしまいます。
その結果…
- 摩擦が大きくなって、全然回らない
- ギーギー音がする
- 軸が削れて壊れる
- ペダルを漕ぐのがめちゃくちゃ重い
という状態になります。
機械の中でも同じで、ベアリングがなければモーターは空回りするか、すぐ焼き付いてしまう。
「回すだけならベアリングいらないでしょ」と思っても、長時間・高回転・重い負荷がかかる環境では、なくてはならない存在なんです。
ベアリングは地味だけど、機械の中では滑らかに動かすための縁の下の力持ち。
しかも、動きの精度や耐久性を左右する、非常に重要な役割を担っています。
これから機械やものづくりに関わっていくなら、まずはこのベアリングのしくみと意味を理解しておくと、設計やパーツ選びの見方が変わってくるはずです。


