車の「トランスミッション」を解説

車を走らせるためには、エンジンだけでは不十分です。
なぜなら、エンジンが得意とする回転数と、タイヤを動かすのに必要な回転数にはズレがあるから。
この「回転の調整役」として必要なのが、トランスミッション(変速機)。
この記事では、トランスミッションの基本的な役割やしくみ、種類について説明します。
トランスミッションとは
トランスミッションとは、エンジンからの回転をタイヤに伝える途中で、回転の速さ(回転数)や力(トルク)を調整する装置です。
いわば、エンジンと駆動輪の間にある「変速ギア」のような存在です。
たとえば、自転車を思い出してみてください。
登り坂では軽いギアでクルクル回したいし、平地では重いギアでスピードを出したいですよね。
車でもそれと同じで、発進時は強い力が必要(低速ギア)、高速走行時は燃費重視(高速ギア)というふうに、場面に応じてギア比を切り替える必要があります。
トランスミッションは、それをエンジンの回転に合わせて自動 or 手動で行っている装置なんです。
トランスミッションの仕組み
基本の仕組みは「ギア比を変えることで、回転の速さと力のバランスを調整する」というもの。
ギア比が大きい=タイヤはゆっくり回るけど力が出る、ギア比が小さい=タイヤは速く回るけど力は弱くなる、という関係になっています。
たとえば、発進直後や坂道ではギア比が大きいローギアを使い、エンジンの力を強く伝える。
高速道路ではハイギアで回転数を抑えて、燃費よく巡航する。
この切り替えをスムーズに行ってくれるのが、トランスミッションの役割です。
また、エンジンは停止中でもアイドリングしていますが、車が止まっている間に駆動力を遮断する仕組みも必要です。
MT車ではクラッチ、AT車ではトルクコンバーターがその役割を担っています。
トランスミッションの種類
トランスミッションにはタイプがあります。
それぞれ特性や乗り味が異なるので、構造と特徴をざっくり紹介します。
MT(マニュアルトランスミッション)
ドライバーがクラッチ操作とシフトチェンジを行う方式。
自分でギアを選べる楽しさがあり、構造もシンプルで軽量。
AT(オートマチックトランスミッション)
油圧やコンピュータ制御で自動的に変速するタイプ。
近年では多段化(6速〜10速など)が進み、効率も高くなっています。
CVT(無段変速機)
ベルトとプーリーによって滑らかにギア比を変えるタイプ。
発進から加速まで回転が一定に保たれるため、燃費に優れる。
DCT(デュアルクラッチトランスミッション)
2つのクラッチを交互に切り替えることで、素早くスムーズな変速を実現。
スポーツカーにも採用されていて、高効率・高応答が特徴です。
トランスミッションは走りの調整役
エンジンの力を、シーンに合わせてちょうどいい形でタイヤに届ける。
それがトランスミッションの仕事です。
速く走るためだけでなく、静かさ・燃費・ドライバビリティすべてに関わる重要な役割を担っています。


